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上限・安全性・業務利用

Claude Duet 研修|法人が日本提供前に決めること

Claude Duet は日本では未提供で、Team・Enterprise プランも対象外です。Duet の操作研修はまだどこにもありません。日本で始まった日に社内で使える状態にするために、今決めておくルールと研修の中身を整理します。

Claude Duet 研修|法人が日本提供前に決めること

先にお伝えすること(2026年10月26日時点)

Claude Duet は米国の Pro・Max プランだけの研究プレビューで、日本では提供されていません。Team プランと Enterprise プランも対象外です(公式ヘルプは「後日対応予定」)。そのため、Duet の操作を実機で教える研修は公式にも国内にもまだありません。当サイトも米国外のため実機を使っていません。このページで説明するのは、日本で提供が始まった日に社内で迷わず使える状態にしておくための準備と、その準備を扱う研修の中身です。研修は Duet の操作研修ではなく、扱うのは日本で今使える Claude と Claude Code です。

結論: Claude Duet を会社で使う前に決めておくべきことは、承認の線引き・機微情報の区分・つなぐアプリ・利用上限と費用・記録の残し方・個人アカウントの扱い、の6つです。どれも Duet の公式資料に前提が書かれており、今の Claude と Claude Code で社内ルールに落とし込めます。研修はその「ルールづくり」と「Claude で任せる練習」を扱うもので、Duet の操作研修ではありません。

このページは、運営会社(ASI株式会社)の自社運用の記録と、Anthropic 公式の発表記事・安全の記事・ヘルプ・Enterprise 向けの発表(いずれも 2026年10月26日に取得)をもとに書いています。研修の実績・導入社数・受講企業の声は載せていません。

「Claude Duet 研修」を探している方へ:いまの状況

2026年10月21日に発表された Claude Duet は、向こうから連絡してくる「先回りして動く AI」です。毎朝の短いブリーフ、つないだアプリの定期的な確認、頼んだ仕事の代行、送信や支払いの前の承認、という形で働きます(公式の発表記事)。

法人の研修として考えるときに、まず押さえておきたい事実は次の3つです。

項目10/26 時点の公式の情報研修への影響
提供地域研究プレビュー中は米国のみ日本では実機で練習できない
対象プランPro・Max のみ。Team・Enterprise は未対応(後日対応予定)会社の管理下のアカウントでは使えない
引き継ぐものClaude で設定したメモリ・スキル・コネクタが最初から使える今の Claude で整えたものが、そのまま土台になる

出典: 公式ヘルプ「Get started with Claude Duet」(2026年10月23日更新)、日本語版。

当サイトの運営会社が 2026年10月26日に Google(日本語・日本向け)で「Claude Duet 研修」「Claude Duet セミナー」を調べたところ、Duet 専用の研修ページやセミナーは見つかりませんでした。検索広告に出ていたのも、Duet ではなく Claude 全般の研修です。つまり「Duet 研修」を名乗るものは、今のところDuet が来る前の準備かClaude・Claude Code の研修のどちらかになります。このページも前者です。

準備に意味がある理由は、公式ヘルプのとおり Duet が Claude のメモリ・スキル・コネクタをそのまま引き継ぐからです。社内で「どのアプリをつなぐか」「どんな前提を覚えさせるか」「どの手順をスキルにするか」を今決めて Claude で回しておけば、Duet が日本で使えるようになった日に、その設定と社内ルールがそのまま出発点になります。

Duet が会社に来る前に決める6つのこと

Duet の公式資料には、会社のルールを作るときの前提がかなり細かく書かれています。下の6つは、その前提を「社内で決めること」に言い換えたものです。表のあとで1つずつ説明し、最後に社内ルールの雛形の表にまとめます。

決めること公式の前提決めないと起きること
1. 承認の線引き送信・支払い・署名・削除の前に承認を求める承認が形だけになる(承認疲れ)
2. 機微情報の区分「絶対に共有しない」と「同意があれば共有」の2段階社外に出してよい情報の判断が人ごとにばらつく
3. つなぐアプリClaude でつないだアプリを引き継ぐ。切ると両方で切れる個人の判断で会社のデータが AI につながる
4. 上限と費用Pro・Max の上限を共有。裏の作業も枠を使う大事な時に枠が尽きる・費用の負担者が曖昧
5. 記録の残し方タスクごとのページ・会話履歴とメモリは消すまで残る何をさせたかを後から説明できない
6. 個人アカウントの扱い今は個人の Pro・Max だけが対象会社の管理外で業務データを扱う(シャドーIT)

1. 承認の線引き

Duet は、送信・支払い・署名・削除の前に、操作の内容・宛先・本文(宛先は全員分)を見せて承認を待ちます。2026年10月23日に公開された安全・プライバシー・セキュリティの記事では、操作をさらに3つに分けています。

区分公式の例社内ルールでの扱い(例)
承認すればできる機微な可能性があるメッセージの送信・購入・削除など部署ごとに「本人の承認で可」とする範囲を決める
何度承認しても「次から聞かない」にできない支払い・送金、注文の削除、アカウントの作成金額の上限、使ってよいカード、申請の流れを決める
承認してもできない証券の売買、口座間の資金移動などの銀行操作、他人のアカウントへのアクセス社内でも「AI にさせない業務」として明文化する

同じ記事は「承認疲れ」をはっきり問題として挙げています。承認の依頼が多すぎると、人は中身を読まずに押すようになる、という指摘です。Anthropic は承認を求める頻度を調整しており、今後も変えていくとしています。

会社にとっての意味は、「全部承認制にすれば安全」ではないということです。承認の数が多い職場ほど、承認が形だけになります。だから社内ルールでは、次の2つを分けて決めておくのが現実的です。

  • 本人の承認で足りる操作(例: 社内宛ての連絡、既存の取引先への定型の返信の下書き)
  • 本人の承認に加えて、社内の別の手続きが要る操作(例: 新しい取引先への送信、一定額を超える購入、契約書の送付)

あわせて、承認のたびにモデルの外で別の自動チェックが走ることも知っておくと、社内の説明がしやすくなります。これは Claude Code の auto mode の分類器を Duet 向けに広げたもので、操作が利用者の意図に合っているかを、作業しているモデルとは別に判定します(auto mode の解説)。ただし公式は「研究プレビュー中は見落としや誤検知がある」と書いており、チェックがあるから人の確認が要らない、という作りにはなっていません。

2. 機微情報の区分

Duet には、送る前のメッセージに機微な情報が含まれていないかを確かめる専用の分類器があります。区分は2段階です。

公式の区分公式の例社内の区分に置き換える例
絶対に共有しないログイン情報、カード番号・口座番号の全桁、公的な ID の番号社内のパスワード・API キー、顧客の口座情報、マイナンバー
同意があれば共有健康・お金など、その他の個人的な情報人事評価・給与、取引条件、未公開の数字
(公式の区分の外)—社外秘の資料、顧客名簿、契約書の本文など、会社が独自に決める情報

公式の例では「チームに週の振り返りを送るとき、全員がすでに見られる情報だけを入れ、本人の評価面談の話などは入れない」とされています。分類器にひっかかった場合、Duet は機微な部分を除いて書き直し、改めて承認を求めることがあります。

ここで大事なのは、公式の2段階は「個人」を守るための区分だということです。会社の機密(顧客名簿・原価・未発表の企画)は、公式の例には入っていません。社内ルールでは、公式の2段階の下に「会社として出してはいけない情報」の一覧を足す必要があります。運営会社の研修サイトのセキュリティの単元でも、顧客名・個人情報・機密資料・給与データなどを具体例で仕分けるワークを扱っています(後述)。

3. つなぐアプリの棚卸し

公式の記事とヘルプから、アプリの接続について会社が知っておくべき点を拾うと次のとおりです。

  • Claude でつないだアプリは Duet に引き継がれ、片方で切ると両方で切れる。
  • 接続を切るとその時点から新しく読めなくなるが、それまでに Duet が覚えたことはメモリを消すまで残る(設定からいつでも消せる)。
  • 接続は利用者が自分で始める。勝手につながることはない。
  • Slack は制限付き、Microsoft 365 は未対応(10/23 更新のヘルプ)。
  • コネクタの無いサイトは、Duet がクラウド上の自前のブラウザで操作する。

2つ目の点は、退職や異動のときの手順に直結します。「接続を切ったから大丈夫」ではなく、「接続を切り、メモリを消す」までを手順にしておく必要があります。棚卸しの表は、次のような列で作ると判断がしやすくなります。

列書くこと
アプリ名Gmail、Google カレンダー、Google ドライブ、Slack、会計、顧客管理など
会社の物か個人の物か会社契約のアカウントか、個人のアカウントか
読ませてよいか全体/特定のフォルダ・ラベルだけ/不可
書かせてよいか下書きまで/承認後の送信まで/不可
止める人問題が起きたときに接続を切る担当
やめるときの手順接続を切る → メモリを消す → 履歴を消す

4. 上限と費用

研究プレビュー中、Duet は Pro・Max プランに追加料金なしで含まれます。そのかわり、5時間ごとの上限と週ごとの上限を Claude の他の機能と共有し、朝のブリーフや定期の確認といった裏の作業も枠を使います。招待された人には 2026年11月30日まで使える上限リセットが1回付きます(Claude Duet の利用上限)。

会社のルールで決めておきたいのは、次の3点です。

  • 誰の枠を使うか: 個人契約の枠を業務に使うなら、費用の負担(経費精算か会社契約か)を決める。
  • 枠が尽きたときにどうするか: 裏で動く仕事が止まっても気づける形にする。
  • 研究プレビュー後の料金: 公式は未公表。予算は「未定」として扱う。

枠が尽きると何が起きるかは、運営会社が自社の自動処理で実際に経験しています。AI の自動処理と人の作業が同じ定額の枠を使う形にしたところ、週の上限に当たって自動の判断が止まった日がありました(後述の「運営会社が自社で使っている線引き」と 運用の記録)。

5. 記録の残し方

Duet の仕事は「Tasks」タブに並び、タスクごとにページがあり、途中で指示を変えられます。会話の履歴とメモリは、本人が消すかリセットするまで残ります。アカウントを消すと Duet が保存したものはすべて消えます。数字や要約を出すときは、どのメール・ファイル・表から取ったかを示します。タスクを完了にできるのは本人だけです(公式ヘルプと安全の記事)。

会社として決めておきたいのは「何を、どれだけの期間、誰が見られる形で残すか」です。2026年10月26日時点で、Team・Enterprise 向けの Duet の管理機能(監査ログなど)は公表されていません。公表されるまでは、業務で頼んだ仕事の記録を本人が残す運用(例: 送った文面と承認した日時を、決まった場所に控える)を社内ルールにしておくのが無難です。

6. 個人アカウントで会社のデータをつなぐ問題

今の Duet を使えるのは、米国の個人の Pro・Max だけです。仮に日本で提供が始まっても、Team・Enterprise への対応が後になれば、社員が個人契約の Claude に会社のメールやカレンダーをつなぐ形になります。これは会社の管理が届かない使い方です。

会社の選択肢は大きく3つです。

  1. Team・Enterprise の対応を待つ: 管理機能が出るまで業務利用を認めない。
  2. 条件付きで認める: 接続してよいアプリ、承認の線引き、記録の残し方を決めたうえで、申請した社員だけに認める。
  3. 今は Claude(Enterprise など)で練習する: 管理された環境で、任せ方と線引きを先に身につける。

どれを選ぶにしても、「禁止するだけ」のルールは個人アカウントでの無管理な利用を増やしやすい、という点は意識しておくべきです。業務利用の判断のポイントは Claude Duet を仕事で使う前に確認すること にもまとめています。

社内ルールの雛形

上の6つを1枚にまとめると、次のようになります。「例」の列は叩き台です。会社の業種・規模・取引先との約束に合わせて書き換えてください。

項目決めること例(叩き台)
使ってよい人対象の部署・役職、申請の要否申請して許可された社員のみ
使うアカウント会社契約か個人契約かTeam・Enterprise 対応までは個人契約の業務利用を不可
つなぐアプリ接続してよいアプリと範囲会社の Gmail は特定ラベルのみ。会計は不可
本人の承認で可本人の承認だけで進めてよい操作社内宛ての連絡、既存の取引先への定型の返信
追加の手続きが要る本人の承認に加えて必要な手続き新規の取引先への送信、一定額を超える購入
AI にさせない公式の「承認しても不可」に会社の分を足す契約の締結、人事・給与の連絡
出さない情報公式の2段階+会社の機密の一覧顧客名簿、原価、未発表の企画
上限と費用負担者、枠が尽きたときの扱い経費精算。月の上限を超えたら上長に報告
記録何をどこに残すか送った文面と承認日時を決まった場所に控える
やめるとき退職・異動時の手順接続を切る → メモリを消す → 履歴を消す
見直しルールを見直す時期公式の仕様が変わったとき、四半期ごと

Duet の承認と安全の仕組みそのものは Claude Duet の承認と安全性 で詳しく説明しています。

Enterprise の会社が今できる準備(10月23日の公式発表)

Duet は Enterprise プランでは使えませんが、2026年10月23日、Anthropic は Enterprise プラン向けにチャットと Cowork を1つにした Claude の一般提供を発表しました(公式の発表)。Pro・Max では 9月に先行して統合されていたものです。

この統合版の Claude では、会話はチャットとして始まり、コードの実行やファイルの作業が要るとクラウドで続きを進め、仕上がった文書・分析・資料を返します。仕事はクラウドで動くので、ノートパソコンを閉じても続き、Web・デスクトップ・スマホのどこからでも引き継げます。チャット・プロジェクト・コネクタ・スキル・プラグインは統合後にもそのまま引き継がれます。

「閉じても裏で仕事が進む」「終わったら知らせが来る」という働き方は、Duet と近いものです。Enterprise の会社にとっては、管理された環境で、その働き方と社内ルールを先に試せるということです。発表に書かれている管理と安全の仕組みは次のとおりです。

項目公式の説明(要約)Duet に向けた準備としての意味
Efficient mode統合版を Sonnet と Haiku のモデルに限る新しい設定裏で動く仕事の費用を抑える練習になる
モデルの権限役割ごとに使えるモデルを決める部署ごとの使い分けを決める
支出の上限組織・グループ・メンバーの単位で上限を設定「枠が尽きたら」のルールを先に作る
グループの共有予算グループで月の金額を1つ持ち、そこから使う部署単位の予算管理を試せる
クラウドの作業環境作業ごとに隔離された仮想マシン。Enterprise では外向きの通信が既定でオフ。コネクタの認証情報は作業環境の外Duet と同じ「認証情報を作業する場所に置かない」設計を理解できる
既存の統制SSO・Compliance API はそのまま。通信中と保存時は暗号化。既定では学習に使わない情シスの審査の前提を揃えられる

発表によると、Claude Code のデータ保持ゼロ(zero data retention)、HIPAA 対応の構成、顧客管理の暗号鍵を使っている組織は、今の構成のまま残ります。展開は管理者が組織の設定から管理し、既存の Enterprise の顧客にはメールで案内が届くとされています。なお、この発表は Enterprise プランについてのもので、Team プランには触れていません。

研修の観点では、この統合版の Claude を使って「任せる仕事の頼み方」「承認の線引き」「つなぐアプリの棚卸し」を練習しておくと、Duet が使えるようになったときの差分が小さくなります。Duet 自身が Claude のメモリ・スキル・コネクタを引き継ぐ作りだからです。

研修で扱う内容(運営会社の研修サイトのカリキュラム例)

当サイトの運営会社 ASI株式会社は、法人向けの AI 研修のサイトを運営しています(cowork-kenshu.jp・ai-kenshu-navi.jp)。ここでは、両サイトにカリキュラム例として公開している内容だけを並べます。Duet の操作は、日本で使えないため扱いません。実際の研修は、対象者・業種・任せたい業務に合わせて組み替える前提です。時間は2時間・半日・1日・複数回から選ぶ形です。

全社共通:AI リテラシーとセキュリティ(半日〜1日/全社員・新任者)

  • AI で「できること・できないこと」
  • 伝わる指示(プロンプト)の基本の型
  • 入れてよい情報・入れてはいけない情報の線引き
  • 資料やデータを渡して、成果物を受け取る操作
  • 自分の業務での使いどころを見つけるワーク

職種別:実務活用(半日〜1日/営業・マーケ・管理部門の実務担当)

  • 自部署の業務の棚卸しと「AI に任せる業務」の特定
  • 提案書・議事録・集計・リサーチの実務演習
  • 自社のフォーマットや文体に合わせた出力
  • ありがちな失敗のパターンと、確認すべきポイント
  • 部署内で共有できる指示のテンプレートづくり

業務自動化と定着(1日〜複数回/DX 推進・情シス・管理職)

  • 繰り返す業務の手順化とスキル化
  • Projects で自社の知識を AI に持たせる
  • 外部サービスとの連携(ドライブ・表計算など)
  • 利用ガイドラインの策定と社内への展開
  • 効果の測り方、社内の推進役の育成、横への展開の設計

管理職:AI マネジメント(半日〜1日)

  • チームの業務の「どこを AI に任せるか」の見極め
  • 部下への展開と評価のしかた
  • 会議・レポート・意思決定を速くする
  • 業務の流れを作り直すワーク
  • 推進の落とし穴とガバナンス

非エンジニア向け Claude Code(2時間〜複数回)

  • Claude Code とは何か(非エンジニアの視点。導入とセットアップも)
  • 大量のファイル・データの処理(名前の付け替え・整形・集計・変換)
  • 社内向けの小さなツールを作る(入力フォーム・集計ツール・簡易サイト)
  • 安全に使うための約束事(触ってよい範囲・バックアップ・確認の取り方)
  • 自分の業務での制作演習(困っている作業を1つ選んで、その場で動くものを作る)

研修サイトでは、ありがちな失敗として「本番のデータでいきなり試さない(写しで試し、結果を確かめてから本番に使う)」を挙げています。これは Duet の「削除の前に承認」と同じ考え方を、自分の手元で身につける練習にもなります。

エンジニア向け:AI エージェントと内製化(1日〜複数回)

  • AI エージェント・自動化の設計
  • Claude Code などでの開発の高速化
  • 社内ツール・業務自動化の内製
  • RAG・社内の知識との連携の基礎
  • 安全な運用と権限の設計

セキュリティ・情報管理(ルールを作る側・守って使う側)

  • 生成 AI の情報リスクを正しく理解する(何が起きうるか、どこまでが誤解か)
  • 入れてよい情報・だめな情報の線引き(顧客名・個人情報・機密資料・給与データなどを具体例で仕分ける)
  • 法人利用と個人利用の違い(データの扱い・管理者の機能・監査の観点)
  • 禁止事項を並べるだけで終わらない、現場が動ける利用ガイドラインの書き方
  • 自社のガイドラインの骨子をその場で作るワーク

研修サイトは、「禁止事項だけのルールは現場が使わなくなる」「完璧なルールができるまで展開を止めない」を失敗の例として挙げています。上の「6つのこと」の雛形を、この単元で自社の形に書き換えるのが、Duet に向けた準備としてはいちばん直接的です。

業種に合わせたカスタム

製造・物流・小売 EC・医療介護・士業などに合わせ、自社の実際の資料・データでの演習、業界特有の書類や商習慣、既存のツールとの併用、対象者別の社内展開を設計します。

Duet で要る力と、研修の単元の対応

Duet で要る力公式の根拠練習できる単元
人に頼むように任せるメッセージを送るように頼む作り全社共通(指示の型)、職種別(実務演習)
承認の線引き送信・支払い・署名・削除の前に承認セキュリティ(ガイドライン)、業務自動化(ガイドライン策定)
出してよい情報の判断機微情報の2段階全社共通・セキュリティ(線引き)
アプリをつなぐコネクタを引き継ぐ業務自動化(外部サービスとの連携)
手順をスキルにするスキルを引き継ぐ業務自動化(手順化とスキル化)
自分で小さな仕組みを作る大きな仕事はファイルで返ってくる非エンジニア向け Claude Code、エンジニア向け

研修サイトのカリキュラム例は Claude(統合前の名前では Cowork)と Claude Code を前提に書かれています。Duet の操作は含みません。

形式と料金の目安

運営会社の研修サイトの料金ページ(cowork-kenshu.jp・ai-kenshu-navi.jp)に載っている目安は次のとおりです。人数・対象者・カスタムの度合いなどで変わり、正式な金額は見積りで出します。

形式目安内容
単発の集合研修15万円〜(半日〜1日)全社リテラシー・特定テーマ
カスタム研修30万円〜(内容による)対象者×業種×業務で設計。自社のデータ・実務で演習
伴走・内製化月額制(継続支援)定着・社内展開まで。顧問の形もある

料金を左右する要素として、研修サイトは次のものを挙げています(研修の形式による違いは研修サイトでご確認ください)。

要素安くなる方向高くなる方向
人数1回あたりにまとめて受講少人数で複数回
カスタムの度合い汎用のリテラシー・安全が中心自社の実際の業務に深く合わせる
継続性単発伴走・内製化まで

研修サイトの記載では、基本料金に設計・教材・当日の運営を含み、交通費・大きな追加カスタム・継続支援は別に見積もります。

研修の費用は、厚生労働省の人材開発支援助成金の対象になる場合があります。対象になるかどうかは要件と審査で決まるため、制度の中身は厚生労働省の人材開発支援助成金のページで確かめてください。

法人の研修について相談する(運営会社のサービス)

ASI株式会社の問い合わせフォームに移動します。「Claude Duet に向けた社内ルールと研修の相談」と書いていただければ、対象者・人数・任せたい業務をうかがってご案内します。

公式で無料で学べるもの

研修を受ける前に、または研修と並べて、Anthropic 公式の無料教材を使う方法もあります。2026年10月26日時点で、どの教材にも Duet の単元はありません。法人の準備に近いものを挙げます。

教材(Claude Academy)分量扱うこと
Deploying Claude Enterprise with confidence14レッスン・2.5時間組織・アクセス・ガバナンス・支出・見える化の5つの決定を、導入計画に書く
AI Fluency for small businesses8レッスン・3.5時間中小企業の日々の業務(調べ物・顧客データ・運営)での AI との協働
Building effective human-agent teams(beta)5レッスン・45分1人で使う AI から、チームで使う AI への移り方
Introduction to Claude Cowork14レッスン・2.5時間複数の手順の仕事を Claude に任せる(作業場所・前提の渡し方・プラグイン)
Claude 10113レッスン・2.5時間日々の仕事での Claude(指示の出し方・プロジェクト・スキル・つないだツール)
Claude Code 10112レッスン・1.5時間Claude Code の仕組みと基本の使い方

出典: Claude Academy の全リソース一覧(309件・2026年10月26日取得)。一覧の画面は英語です。

公式のウェビナー一覧(claude.com/ja/resources/webinars)には、2026年10月26日時点で113件が載っていますが、Duet を扱う回は見当たりませんでした。管理者向けには、統合版の Claude について管理者が知っておくことを扱う回(11月4日予定)や、Enterprise の費用管理・初期設定の回が予定されています。個人の学び方の全体像は Claude Duet の学び方 にまとめています。

Claude Duet のセミナーについて

当サイトの運営会社は、Claude Duet のセミナーを開いていません。先に書いたとおり、2026年10月26日の検索でも Duet 専用のセミナーは見つかりませんでした。今後「Duet セミナー」をうたう催しが出てきたときは、次の点を確かめると中身の見当がつきます。

確かめること理由
基準日が書いてあるか研究プレビュー中は、提供地域・機能・料金が変わる
公式の出典を示しているか発表後の数日で、公式の安全の記事やヘルプが更新されている
「実際に使った」と言うなら、どこで使えるのは米国の Pro・Max の招待者だけ
Duet の話か、Claude・Claude Code の話か中身の多くは Claude 全般の話になりやすい。それ自体は悪くないが、題と中身が合っているか

研修会社を選ぶときの観点

Duet に向けた準備の研修を外に頼むときに、確かめておきたい観点です。どの会社を選ぶ場合でも同じように使えます。

観点確かめる問いなぜ大事か
Duet の扱いが正直か日本未提供・実機未使用であることを最初に言っているか使えない製品の「操作研修」は成り立たない
自社の業務を題材にするか実際の資料・データで演習するか機能の紹介で終わると現場に残らない
承認と情報の線引きを扱うかガイドラインのドラフトまで作るかDuet の前提はここ。ツールの操作より先に要る
講師が自分で運用しているかAI に任せて失敗した例と直し方を話せるか止まる・漏れる・枠が尽きる、は運用して初めて分かる
料金の内訳設計・教材・当日の運営・交通費・追加の扱いが見積りに出るか後からの追加請求を避ける
助成金を使うなら訓練時間・カリキュラム・記録の要件に合わせて設計できるか要件を満たさないと対象にならない
研修後に残る物ガイドライン・指示のテンプレート・作った仕組みが手元に残るか研修の翌日から使えるかが決まる
定着の支援研修後の質問や見直しに付き合うか公式の仕様が変わるたびにルールの見直しが要る

運営会社が自社で使っている線引き(社内ルールの見本)

ここからは研修の実績ではなく、運営会社が自社の業務で回している仕組みの話です。当社は Duet を使っていませんが、Duet と同じ形の仕組み(朝のまとめ、受信箱の見張り、承認を待つ返信の下書き、サイトの自動修正)を Claude Code などで作り、本番で毎日動かしています。その中で決めた「AI に任せる範囲/人に回す範囲」は、会社の社内ルールの見本として使えます。

見本1:下書きを作る AI には、送る道具を渡さない

問い合わせへの返信の下書きは、サーバーの自動処理が15分ごとに最大3件作ります。このとき下書きを作る AI には道具を一切渡していません。メールの本文は別のプログラムが読んで AI に渡し、AI は文章を返すだけです。メールは読むだけで、送信・下書きの保存・削除は AI からはできない作りです。送るのは、人が読んでからです。

Duet は「承認の前で止まる」作りですが、うちの仕組みは「そもそも送れない」作りです。社内ルールに置き換えると、「AI に下書きまでを任せる業務」と「送信まで任せる業務」を分け、前者では送る手段を渡さない、という形になります。

見本2:自動では直さないものを先に決める

Google の Search Console から届く警告を、毎時読んで直せるものは直す仕組みを 2026年10月20日から動かしています。AI は読む・探すだけで、書き換えは決まった手順のプログラムが行い、直したあとに確かめて、外れたら自動で元に戻します。そのうえで、次のものは自動では直さず人に回すと決めています。

  • 手動による対策・セキュリティの問題
  • 中身の判断が要るもの(ソフト 404・重複・未登録)
  • 50 を超える URL をまとめて扱うもの
  • サーバー全体の設定や共通の部品、データのファイル
  • 給与の表記、元の文に無い数字を新しく作る直し

試運転では、直す役の AI が誤った前提で案を出し、別の審査役の AI がそれを不合格にして人に回しました。Duet の「承認しても不可の操作」と同じく、任せない範囲を先に決めておくと、AI が間違えたときの被害が小さく済みます。

見本3:自動で送るときの止める条件

2026年10月26日、講座の受講生との連絡に「相手ごとの自動送信」のスイッチを入れました(最初は全員オフで、10/26 時点でオンにした相手は0人です)。オンにしても、次のどれかに当たると送らずに人に回します。

止める条件理由
入金・料金・キャンセル・日程・予約・変更などの語があるお金と約束は人が決める
写真やファイルが付いている中身を AI が読み違えるおそれ
こちらから送ったのが3通未満関係ができていない相手には人が返す
9時〜20時台の外時間外に機械的な返事を出さない
同じ相手に2時間以内に送ったやり取りが続いているときは人が入る
全体で1時間に6通を超える暴走したときの被害を限る

実際には、10月26日に数え直した時点で、手元に残っている AI の返信下書き305件のうち304件に「要確認」の印が付いていました(多くは「返事は要らなさそう」という判定です)。つまり、止める条件をきちんと決めると、自動で送れる場面はめったに無いということです。Anthropic が「承認疲れ」を問題にしつつ、承認の頻度を簡単には減らしていないのと同じ結果だと考えています。

この3つを社内ルールに置き換えると、次のようになります。

運営会社の仕組み社内ルールに置き換えると
下書きの AI に道具を渡さない下書きまでの業務と、送信まで任せる業務を分ける
自動では直さないものの一覧「AI にさせない業務」を一覧にして、見直す時期を決める
自動送信の止める条件お金・約束・添付・時間外・連続・量の6つで止める
直したあとに確かめて戻すAI の仕事の結果を確かめる担当と、戻す手順を決める

運用の数字・止まった日・失敗と直し方は Claude Duet と同じ仕組みを毎日回して分かったこと にまとめています。

個人で学びたい方は

会社としてではなく個人で Claude Code を身につけたい方には、運営会社の Claude Code 講座があります(Duet の操作講座ではありません)。中身と名乗り方は Claude Duet 講座の記事 で説明しています。無料の公式教材から始めたい方は Claude Duet の学び方 をご覧ください。

日本で提供が始まったら

日本での提供時期は、2026年10月26日時点で公表されていません。Team・Enterprise への対応も「後日」とされているだけです。提供が始まったら、まず公式ヘルプで対象プランと地域を確かめ、社内ルールの「使ってよい人」「使うアカウント」の欄を書き換えるところから始めます。待機リストに登録する場合は、待機リスト・Claude アカウント・スマホの Apple アカウントまたは Google アカウントのメールアドレスをそろえておくことが、公式ヘルプの挙げるいちばんのつまずき防止です。

法人の研修について相談する(運営会社のサービス)

出典

すべて 2026年10月26日に取得して確かめました。

よくある質問

Claude Duet の研修はありますか?

2026年10月26日時点で、Duet の操作を実機で教える研修は公式にも国内にも見当たりません。Duet は米国の Pro・Max だけの研究プレビューで、日本では提供されておらず、Team・Enterprise プランも対象外だからです。いま受けられるのは、Duet が来る前に社内ルールと Claude の使い方を整える準備の研修です。

会社の Team・Enterprise プランで Claude Duet は使えますか?

使えません。公式ヘルプでは Team・Enterprise は未対応で、後日対応予定とされています。対応時期は公表されていません。

Duet が日本で使えない今、研修を受ける意味はありますか?

あります。Duet は Claude で設定したメモリ・スキル・コネクタを引き継ぐため、今の Claude で整えたものと社内ルールがそのまま土台になります。承認の線引きや機微情報の区分は、Duet の公式資料に前提が書かれており、今のうちに決められます。

会社として先に決めておくことは何ですか?

承認の線引き、機微情報の区分、つなぐアプリ、利用上限と費用、記録の残し方、個人アカウントの扱いの6つです。公式は、承認しても証券の売買や口座間の資金移動などはしない、支払い・送金や注文の削除は「次から聞かない」にできない、と定めています。

Enterprise プランの会社が今できる準備はありますか?

2026年10月23日に、Enterprise 向けにチャットと Cowork を1つにした Claude が一般提供されました。閉じても裏で仕事が進む働き方を、Efficient mode・役割ごとのモデルの権限・支出上限・グループの共有予算といった管理機能つきで先に試せます。

研修の料金はいくらですか?

運営会社の研修サイトの料金ページでは、単発の集合研修が15万円〜(半日〜1日)、カスタム研修が30万円〜、伴走・内製化は月額制が目安です。人数・内容などで変わり、正式な金額は見積りで出します。研修費は厚生労働省の人材開発支援助成金の対象になる場合がありますが、要件と審査があります。

研修では Claude Duet の操作を教えますか?

教えません。日本で使えないためです。研修サイトのカリキュラム例にあるのは、AI リテラシーとセキュリティ、職種別の実務活用、手順のスキル化や外部連携と利用ガイドラインづくり、非エンジニア向けの Claude Code などで、Duet に要る力の土台にあたる内容です。

Claude Duet のセミナーはありますか?

当サイトの運営会社は Claude Duet のセミナーを開いていません。2026年10月26日の検索でも Duet 専用のセミナーは見つからず、公式のウェビナー一覧にも Duet を扱う回はありませんでした。

無料で学べる公式の教材はありますか?

Anthropic の Claude Academy に無料の教材があります。法人向けには「Deploying Claude Enterprise with confidence」(14レッスン・2.5時間)や「AI Fluency for small businesses」(8レッスン・3.5時間)が近い内容です。2026年10月26日時点で Duet の単元はなく、画面は英語です。

Claude Duet が来る前に、任せ方を身につける

運営元のASI株式会社は、自社の業務で、定期処理と常駐をあわせて150本以上を動かし、そのうち問い合わせの振り分け・返信の下書き・朝のまとめなどで Claude を使っています。その運用側の視点で、Claude Code を実務で使えるようになるまで個別に伴走する講座を開いています(運営会社のサービスです)。

講座の詳細を見る